会長あいさつ

日本めだかトラスト協会のめざすもの

メダカは日本人にとってもっとも身近な野生の動物です。日本めだかトラスト協会は全国のメダカ・水辺環境の保護活動の情報交換・交流の場となることを目指しています。 また、メダカは命を学ぶための教材でもあります。めだかを通して生命を見つめ、我々人間もその一部である自然・環境を次世代に伝えていく活動を応援します。


会長の自己紹介

 

尾 田  正 二(おだ しょうじ)


生年月日:1967年1月2日
出身地:岡山県邑久郡牛窓町(現瀬戸内市)
血液型:O 型
星座:やぎ座
特技:トミカ(ミニカー)の修理、博士(理学)
趣味:読書、古本屋あさり、
好きなもの:貝殻、海の無脊椎動物、プランクトン、プラモデル、本、安くておいしい食事
現職:東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 准教授
最近読んで感動した本:人生論(トルストイ)

略歴
1989年3月 東京大学理学部卒業
1991年11月 獨協医科大学第1生理学教室 研究員
1994年3月 東京大学大学院理学系研究科博士後期課程単位取得後満期退学
1994年4月 東京女子医科大学第2生理学教室 助手
2003年9月 東京大学大学院新領域創成科学研究科 講師(2010年6月より准教授)
2008年10月 宇宙航空開発研究機構宇宙医学生物学研究室 主任研究員(兼任)(2015年3月まで)

 海辺の田舎町で生まれ育ったので、小さい頃から生き物が好きでした。小学生の頃は毎日磯に行き、不思議な姿のいろいろな生き物を見つけては喜んでいました。勉強ができたので面と向かって悪口を言われたことはないのですが、今から振り返るとかなり変わった子供だったろうと反省しています。小学校5年生の夏休みの自由研究でメダカの卵発生を観察したのがメダカとの最初の出会いでした。高校までは岡山にいて、進学で東京に出て来ました。最初に東京駅に着いた時は、「機械の星」に来てしもうた、と思いました。
 大学ではかねてからの希望通り、動物学を勉強しました。実習で一匹のアメリカザリガニを一か月かけてスケッチするような、遺伝子研究が普及する前の古き良きのどかな時代でした。大学院の修士課程では三浦半島の先端、油壷に所在する東京大学理学部附属臨海実験所でフグ、カレイなど海産魚の精子の細胞生理学的研究をしました。博士課程では栃木県壬生町の獨協医科大学第1生理学教室にお世話になり、宮城県女川町の東北大学の研究所に通ってニシンの卵(数の子)から精子を活性化するタンパク質を精製しその遺伝子をクローニングしました。大学院を出て東京女子医科大学第2生理学教室の助手に採用され、哺乳類の受精の研究に従事しました。卒業研究で半年お世話になった放射線生物学の研究室が千葉県柏市に新しくできた柏キャンパスに移転していたのですが、2003年にそちらに異動となりメダカと再会して放射線の生物影響の分子メカニズムの研究に加わりました。
 その後JAXA(宇宙航空開発研究機構)の研究員を兼任して、国際宇宙ステーションでメダカを長期間飼育する計画に参加しました。メダカが宇宙に長期滞在したらどのような影響があるか、そもそも健康なメダカとはどういうメダカか、という研究テーマですったもんだした挙句、「動物は動く物、動いてなんぼ、うまく動けたら健康、動けなかったら不健康」という結論(境地)に至りました。そして、メダカの動きを映像として撮影して数値解析する研究手法に行き着きました。これまで誰も知らなかったメダカの生き様を知ることがうれしくて、研究費がかからなくて(遺伝子の研究はとてもお金がかかります)、しかもメダカを殺さないですむ新しい研究領域です。「メダカをモデルとした生命科学研究」から「メダカの研究」に進化しました。
 2011年の東日本大震災と福島第一原発事故を経験したのは人生、研究の大きな転機でした。生き物が生きるってどういうことか?メダカにも意識がある、では意識ってなに?生物は生態系の一部である、では生態系が生きているのか?生命(いのち)とは何か?と考えを広げることとなりました。生命をもっと深く知ることにより、この世界を知り、自分を知ることができるはずです。大先輩のメダカにだけでなく、全ての生命に謙虚に教えを請い、これから我々はどっちへ向かって進まなければならないか、それを考えるのが我々人類の責務だと思っています。